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データであなたの「ミチ」をてらす

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グランバレイ レース分析活動2018シーズン前半振り返り

グランバレイが、モータースポーツアナリティクス活動を始めて2年目に突入。
SuperGT 2018が開幕し早くも第3戦までが終了。
分析チームメンバーがこれまでの活動を振り返ります!
今年度からさらに大きくなった21号車の弊社ロゴマークに恥じない取り組みを行うため試行錯誤した過程を書かせていただきます。

新しい取り組み、それは「リアルタイム分析」

今期の取り組みとして「リアルタイム分析」を主軸と位置づけました。
昨年まではレース前の予測やレース後のデータ分析を行っていましたが、メンバー内で議論した結果、「やはり我々の活動がレース結果に直結するためにはレース中のサポートが欠かせない」との結論に至りました。
この問題意識が「リアルタイム分析」への第1歩となりました。

すぐさま課題にぶつかる

高い目標を掲げたものの、すぐさま課題にぶつかりました。
これまで弊社は「データ分析」を通して多くのお客様にサービス提供を行ってきましたが、
そのどれもが‟データがあること”が前提でした。
しかし、分析に必要となるラップタイムをリアルタイムかつ分析可能なフォーマットで入手することが困難であると判明しました。
つまり‟データが何もないところからデータ分析をする”ことは全くの未知の領域だったのです。
そのため「データを生み出すこと」はクリアしなければならないハードルとなりました。

挑戦1-手入力によるデータ入力

月並みですが、この問題をクリアするために思いついた方法を1つずつ試すしかありません。
最初に思いついた案は「手入力」です。
リアルタイムに掲示されるデータを力技で入力するというものです。
可能な限り入力方法を簡略化するため、様々な工夫を行いました。
しかし、結果としてこの手入力は全くもって実用に耐えないものでした。
富士スピードウェイで行われた公式練習から帰る道中に感じた悔しさは今でも忘れられません。

挑戦2-画像認識AIによる自動入力

振り出しに戻った我々は、何かしらの方法で自動的にラップタイムをデータ化する仕組みが実現できないものか検討し直しました。
そして、画像認識技術を用いることを思いつき、すぐさまプロトタイプの開発に着手しました。
具体的には実用に耐えうる精度の画像認識AIの選定とAIの動作基盤の開発です。
取り組み当初は認識精度の向上に苦心したものの、結果としては非常に高精度でシステムが動作しました。
これでやっと第2歩目が踏み出せました。

そしてリアルタイム分析へ

データを作り出す作業を行う一方、データ分析のダッシュボードの開発を並行で進めていました。
あとはダッシュボードにAIが生み出したデータを流すだけです。
初めはレース分析に必要なKPIやデータの見方など、不明な点も多くあったものの、チームのみなさんの協力のもと、レース状況をリアルタイムに把握できるダッシュボードを開発することができました。
これで我々が当初掲げていた「リアルタイム分析」が少しずつですが形になってきました。

まだまだ課題は山積み

まず、これはレースに限った話ではありませんが、AIを使う以上、アウトプットに対して100%の保証はできません。
満足のいく精度はでていますが、それでも数%の確率で不測の結果を返してしまいます。
この問題には臨機応変に対応していますが、AIとの付き合い方としては非常に良い教訓を得ました。

次に、我々の活動がレース戦略に対し、十分に貢献できていない点は大きな課題です。
ついついシステムが形になることに喜びを感じてしまいがちですが、
“本当に解決したい問題が解決できているか?”
常に自問自答しながら活動全体を進めています。
まだまだ満足のいく出来栄えには遠く及ばないですが、今後も自問自答を繰り返し、さらに分析システムをより良いものにしていきたいと思います。

モータースポーツアナリティクスで得たもの

「データ分析」をキーワードにしている弊社ですが、この活動を通して“データがあることの有難さ”と“データを生み出すことの重要さ”を痛感しました。
このデータを生み出すための仕組み作りを通して、弊社としても多くのことを学ぶことができましたし、貴重な機会を提供いただいているAudi Team Hitotsuyamaの皆様には本当に感謝しております。
ゼロベースでプログラミングやAIなどを組み合わせた経験は、レースの場だけでなく様々な課題に対して適応できるのではないかと考えています。

レース分析活動に参加して

ここからは、今年度よりレース分析チームに加わった社員に語ってもらいましょう!

「今年度よりレース分析活動に参加していますが、私自身、当初はITによってレースへどのような貢献ができるのか明確なイメージは持てないでいました。

まず、SuperGTとはどのようなレースなのかを知ることから始め、ドライバーの方へのヒアリングやサーキットでのピット作業の調査といった活動をメンバーと共に経験するに従い、『どのような数値やデータがレースに影響を及ぼすのか』『どういったデータの活用が可能か』といったことが少しずつ見えてきました。

何をどう実現するかをゼロから考え、はたしてそれが本当に有用なのかを検証しながら試行錯誤すること、さらには分析に必要なデータがないならデータの収集から取り組む。
これら全行程を経験することは普段のプロジェクトでもさほど多くないため、今回のモータースポーツアナリティクスは、自分自身では貴重な経験であると感じています。」

第3戦を終え、折り返しの第4戦に差し掛かろうとしています。
少しでもレースを優位に進められるような情報を提供し、Audi Team Hitotsuyamaの勝利へ貢献すべく引き続き活動を進めていきます。