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SuperGT レース分析の取り組み – 2017年総括

公開日 2018年2月19日    最終更新日 2018年2月19日

まえがき

2017年、グランバレイは国内最高峰の自動車レースであるSUPER GTで活躍をしている Audi Team Hitotsuyama様に対して、データ分析の面で支援して参りました。2018シーズンも引き続きサポートさせていただくにあたり、今回の記事では昨シーズンの活動を振り返ります。

分析活動開始当初 – 試行錯誤の日々

最終的には、私たちのデータ分析によってレース結果を左右するような示唆・アドバイスを提供することが目的ですが、2017シーズンはまず我々の強みがすぐに出せる「データ可視化」「手作業部分のシステム化による負荷低減」といった部分を中心にチームに貢献することを目標に定めました。その理由として、レース会場に訪問しピット作業やレース戦略を目の当たりにした結果、データの散在やサーキットごとにフォーマットが少しずつ異なっていることによってデータが十分に活用しきれていないのではないかと感じたことが挙げられます。紙のみで記録されている情報や、チーム関係者の経験や勘に依存しデータ化されていない領域もまだまだ多いと感じたこともきっかけです。

分析活動中盤 – レース分析基盤を構築

7月からはAudi Team Hitotsuyama様のエンジニアの方との定期的な打ち合わせを開始し、我々が作った分析レポートの操作性に関するフィードバックやご要望をお聞きすることで「データによるレース分析基盤」の構築を進めていきました。このレース分析基盤を構築したことで、データ分析を行う際に必要なデータの準備とデータ加工の時間が大幅に短縮し、さらに同一プラットフォームを使ったことで自由度の高いデータ分析を行うことができるようになりました。これらの基盤を準備できたことで、レース分析の第一歩に貢献できたのではないかと感じております。

分析活動終盤 – 予測分析の導入へ

SUPER GTのレース日程が消化されていくに従い、タイヤ選択の重要性を日増しに感じるようになりました。そこで、私たちはタイヤ選択を行う上で必要な予測分析の開発を進めました。そのプロトタイプを最終戦となる第8戦に投入し、Teamでは、その結果を参考としてタイヤ選択に使われました。その結果、少なからずAudi Team Hitotsuyama様の上位入賞に貢献できたのではないかと考えています。

2017年のレースでは、紆余曲折はあったものの、レースでデータ活用できるまでの段階にきました。2018年は、これをさらに磨きをかけながら、より実践的な活用を目指していきます。