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IoTを分解してみる。その2 – PAN通信規格編

公開日 2017年2月28日    最終更新日 2017年2月28日

IoTシステムにおけるネットワークの選定は非常に重要になります。
というのも、センサのデータをデータベースに送信する際には電力を要するからです。
またネットワークに応じて通信速度も異なります。
例えばリアルタイム性を重視したい場合は、
通信速度の速いネットワークが適しています。
一般的には「通信速度が速い=消費電力が大きい」ことになります。
その結果、コストに大きく影響するので知っておいて損はありません。

今回はPAN(プライベートエリアネットワーク)の通信規格についてご紹介します。

Bluetooth

日常生活でも身近に使われている通信規格です。
スマートフォンとカーナビの接続や、ワイヤレスイヤフォンなどが代表的でしょうか。
数m~数十mの範囲内で情報のやりとりを行います。
Wi-Fiと比較すると通信距離が短く速度もやや遅いですが、その分、省電力となります。

BLE (Bluetooth Low Energy)

Bluetooth 4.0から搭載された新機能です。
従来のBluetoothに比べ圧倒的に省電力となりました。
省電力の影響で、通信速度は遅くなりましたが、
ボタン電池でも、数年維持することが可能となりました。
その反面、Bluetoothの新規格として開発されたため、
従来のBluetoothとは互換性がありません。

BluetoothやBLEはスマートフォンに搭載さているため、
今後、ウェアラブル機器への活用が予想されています。

Wi-Fi

広範囲で高速、大きなデータでも扱うことができるWi-Fiの通信規格は、
広い範囲で活用されていますが、IoTのための利用を考えると、
ややオーバースペックであることは否めません。

IoTで求められるケースとして多いのは、
1 つのアクセスポイントに大量のセンサとつなげられること、
省電力であることと範囲が広いことです。
大量のデータを高速で送ることに関しては、
あまり重要ではないことが多々あります。

今、Wi-Fiの新規格「Wi-Fi HaLow」が注目を集めています。
920MHzの周波数帯を採用することで、
1km以上の送信が可能にも関わらず、従来よりも省電力となりました。
省電力のトレードオフとして通信速度は低下しますが、
適材適所な使い方ができれば非常に有効と言えます。

Zigbee

無数のワイヤレスセンサでネットワークを構成する
WSN(ワイヤレスセンサネットワーク)の通信規格の1つです。
ジグザクに移動するミツバチが名前の由来です。

通信速度は遅いですが、
1つのネットワークに65535個まで接続することが可能です。
一般的なBluetoothの場合は7つなので、
この接続数は最も大きな利点です。

さらに、スリープモードからの復帰時間と、
消費電力もBluetoothよりも小さいため、
条件が整えばコストを抑えることが可能です。

6LoWPAN

Zigbeeと同良いにワイヤレスセンサネットワークの通信規格の1つで、
低消費電力な企画ですが1番の特長はIPv6での通信が可能なことです。
そのため非常順的なTCP/IPのプロトコルが利用できます。
IoTの本格的な到来でIPv6も当然普及するため、
今後本命視されている通信規格の1つです。

NFC(Near Field Communication)

言葉の意味としては近距離無線通信を意味します。
通信距離は10cm程度のため、
現在ではスマートフォンかざすことを利用したサービスや、
入室のセキュリティで活用されています。

Wi-SUN

Wireless Smart Utility Networkの略称です。
元々はビルなどのガスや水道のメーターのデータを元に
効率的に検針するために開発された通信規格です。
もともと日本の情報通信研究機構が中心となって開発された技術であり、日本でが中心となって、現在、標準化を進めています。
広範囲で省電力な周波数帯を利用することで、
効率的に大型施設の無線データを集めることが可能です。

IEEE802.15.4

米国の標準化団体アイ・トリプルイーによって策定された通信規格です。
特長としては総報告デジタル通信、強固な暗号化通信、低消費電力、
低速度、などIoTに求められる要素を満たしています。
こちらの通信規格を満たした無線モジュールは,
また多数のセンサネットワークに適しておりZigbeeなどにも使われています。

最後に

今回、ご紹介した通信規格を利用したPAN (プライベートネットワーク)を、小さな単位で構成することは、最小構成から大規模構成までのIoTシステムを構築するためには必須条件といえるでしょう。