色はデータビジュアライゼーションにおける基本的な要素の1つですが、今回のブログ記事では、データビジュアライゼーションに使用する色のルールについて考えていきます。
色について最低限のルール
それではまず、いくつかの実用的なルール、あるいは少なくとも設計上の考慮事項から始めましょう。
・色数を限定する。利用する色数は、10色程度まで絞る。多くても20色以下とする。
・所属に応じた色相を統一する。所属に基づいてデータポイントに対して色を付ける場合は、色相を統一することで、関係性を理解しやすくなる
・データポイントごとに色を統一する。データポイントごとに色を統一することでデータ値同士の関連付けが容易になる
もちろん、どのような色やスケールを使用するかなど、考慮すべきことは他にもたくさんありますが、今回はこのような最低限のルールで統一しましょう。
色数を限定する
人は、多くの異なるデータポイントを取得した場合、それらを可視化するために多くの色を使用したくなります。しかし、その前に、私たち人間が持つ限界について考える必要があります。
まず第一に、私たちは短期記憶で多くの項目を覚えるのが得意ではありません。 その数は、どの論文を読むかにもよりますが、9項目以下であることがほとんどです。したがって、より多くの色を使用しますと、閲覧者がチャートの色を覚え、凡例の色や別のチャートの色と一致させることが困難となります。
第二の理由は、私たち人間は何百万もの色を識別できます。しかし、多数の色を使ったビジュアライゼーションでは、色を確実に区別し、凡例とチャート間の色を一致させることが複雑になるからです。もちろん、これは色の彩度や濃淡にも左右されます。ですので、何百種類もの色を使用することは避けましょう。
上の図では、色の多くが非常に似ているため、色と凡例を一致させることが難しいことがわかると思います。
所属に応じた色相を統一する
チャートで色を使う素晴らしい使用例の1つとして、別の軸に色を付け、データポイントの所属を示すことです。棒グラフの中の商品を例にして、商品カテゴリーに基づいて棒グラフに色を付けました。これにより、各商品がどの商品カテゴリーに属しているのかが色相を統一したことで簡単にわかり、また、どの商品がベストセラーで、どの商品がより悪いカテゴリーなのかもわかるようになりました。
ここでご覧いただけるように、最も売れている2つの製品は、メンズフットウェアのカテゴリーにあります。しかし、それ以降は、他の男性用衣料品・フットウェアに急降下しています。女性の場合、トップ付近にはもっと多くの商品があります。また、商品が 1 つしかないバス ウェアのカテゴリも興味深いもので、かなり下位にあります。
このような色付けは、どのような軸でも行えますが、考慮しなければならないのは、各棒は色付けするグループの1つの値にしか属さないという点です。例を挙げてみましょう:
この表によると、各製品はさまざまな都市で販売されていることがわかります。したがって、製品別売上と都市別売上を色分けしますと、ユニークな値はひとつもありません。そのため、棒グラフは灰色になってしまいます。しかし、会社別の売り上げを表示しますと、各会社は1つの都市にしか存在しないことがわかります。そのため、都市名で色分けできます。
そのため、軸で色を付ける場合は、チャートに追加する軸に複数の属性が含まれていないことを確認します。
データポイントごとに色を統一する
最後のベストプラクティスは、チャート間およびチャート内でのデータポイントごとに色を統一することです。色はデータポイントに基づいているため、そのデータ値を持つすべてのチャートが同じ色に統一することになります。そうすることでダッシュボード上の多くのチャートで同じ軸を使用する場合、つねにデータポイント間の関係を簡単に見つけられます。以下は、データポイントごとに色を統一するしない場合(Not persistent)と統一する場合(Presistent)の例です。ご覧のように、右側の棒グラフのと下のツリーマップの色と統一されていることで、直感的に理解しやすいのが分かると思います。
具体的には、右の棒グラフでは、下のツリーマップと同じ値に対して同じ色、例えば中央部ではピンク色になっています。一方、左の棒グラフでは、中央部の色が青で、ツリーマップと同じではありません。このように、チャート間のデータ値を同じ色に統一することで、データ値同士の関連付けが容易になります。
色について今回は以上となります。この分野にはまだ多くのトピックがありますが、少しでも新しいことを学んでいただけたなら幸いです!
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